回覧板、面倒だと感じている方も多いのではないでしょうか。時代に合わなくなってきた回覧板をやめたい理由と、上手な断り方をご紹介します。
回覧板は地域のコミュニケーションツールとして長年使われてきましたが、最近では不便さを感じる人が増えています。でも、どうやって断ればいいのか分からない。そんな悩みを抱えている方も多いはず。この記事では、回覧板をやめたい理由と、上手な断り方をお伝えします。
回覧板をやめたい3つの理由
衛生面が気になる
回覧板は多くの人が触るため、衛生面で不安を感じる人も少なくありません。特に感染症が心配な昨今では、気になるポイントです。
手洗いやアルコール消毒が日常的になった今、不特定多数の人が触れる回覧板を受け取ることに抵抗を感じる方が増えています。特に、小さなお子さんやご高齢の方がいるご家庭では、衛生面での不安が大きいでしょう。
また、回覧板を受け取った後に手を洗ったり消毒したりする手間も、面倒に感じる原因の一つかもしれません。忙しい日々の中で、そのような余計な手間を省きたいと考えるのは自然なことです。
役立つ情報が少ない
回覧板に載っている情報の多くは、インターネットで簡単に手に入るものばかり。わざわざ回す必要性を感じない人も増えています。
例えば、地域のイベント情報や行政からのお知らせなどは、自治体のウェブサイトやSNSで確認できることが多くなりました。スマートフォンやパソコンを使えば、いつでもどこでも最新の情報にアクセスできます。
また、回覧板の情報は更新頻度が低いため、すでに古くなっている場合もあります。イベントの告知が終了後に回ってくるなど、タイムリーな情報共有という点では課題があります。
回覧の頻度が多すぎる
週に1回以上回ってくる地域も。情報をまとめて月1回程度にしてほしいと思う人も少なくありません。
頻繁に回覧板が回ってくると、その都度確認して次の家庭に渡す手間が発生します。特に、仕事や育児で忙しい世帯では、この作業が大きな負担になることがあります。
また、回覧板を受け取ってから次の家庭に渡すまでの期限が短い場合、プレッシャーを感じる人もいます。「明日までに回さなければ」というストレスは、現代の忙しい生活には不要なものかもしれません。
回覧板が廃止されない理由
デジタル格差への配慮
高齢者など、インターネットを使いこなせない人への情報提供手段として、回覧板はまだ重要な役割を果たしています。
デジタル機器の操作に不慣れな方や、そもそもスマートフォンやパソコンを持っていない方にとって、回覧板は貴重な情報源です。特に、高齢者の多い地域では、回覧板が重要なコミュニケーションツールとなっています。
また、インターネット環境が整っていない地域もあります。そのような場所では、回覧板が情報伝達の主要な手段として機能しています。
安否確認の役割
特に高齢者の多い地域では、回覧板が回らないことで安否確認のきっかけになることもあります。
回覧板を受け取りに来ない、または次の家庭に渡さないという状況が続くと、その家庭に何か問題が起きているのではないかと気づくきっかけになります。これは、特に独居高齢者の見守りに役立っています。
また、回覧板を渡す際の短い会話が、近所付き合いのきっかけになることもあります。これは、地域のコミュニティ形成に一役買っているといえるでしょう。
確実な情報伝達
回覧板には確認のサインをする欄があり、情報が確実に伝わったかどうかを確認できます。
電子メールやSNSでの情報共有では、相手が本当に内容を確認したかどうかが分かりにくいことがあります。しかし、回覧板では各家庭がサインをすることで、確実に情報が伝わったことを確認できます。
また、重要な情報を見落とすリスクも低くなります。デジタルの場合、大量の情報の中に埋もれてしまう可能性がありますが、回覧板では物理的に手元に届くため、確実に目を通すことができます。
回覧板を上手に断る方法
地域のリーダーに直接相談
町内会や自治会の会長に直接会って話すのがベスト。電話やメールは避けましょう。
直接会って話すことで、自分の状況や考えを丁寧に説明することができます。また、相手の反応を見ながら話を進められるので、誤解を招きにくいというメリットもあります。
例えば、「お忙しいところ申し訳ありませんが、回覧板についてご相談があります」と切り出し、自分の状況を説明するのがよいでしょう。
具体的な理由を伝える
「不在が多く、回すのが遅れて迷惑をかけている」「インターネットで必要な情報は確認できている」など、具体的な理由を説明すると相手も理解しやすくなります。
抽象的な理由ではなく、自分の生活状況や考えを具体的に伝えることが大切です。例えば、「仕事の都合で平日は深夜まで帰宅できず、回覧板を確認して次の家庭に渡すのが難しい状況です」といった説明が効果的です。
また、「スマートフォンで自治体のウェブサイトやSNSをこまめにチェックしているので、必要な情報は把握できています」といった、代替手段を示すのも良いでしょう。
代替の情報収集手段を提案
地域のウェブサイトやSNSの活用、掲示板のチェックなど、回覧板以外の情報収集方法を提案しましょう。
例えば、「自治会のLINEグループを作成して、そこで情報共有するのはいかがでしょうか」といった具体的な提案ができると、より建設的な話し合いになります。
また、「月に一度、自治会の掲示板をチェックするようにします」といった、自分なりの情報収集方法を示すのも効果的です。これにより、地域の情報から完全に切り離されるわけではないことを示せます。
回覧板をやめるデメリット
地域の細かい情報が入手しづらくなる
ゴミ当番のシフトや地域の清掃活動など、ローカルな情報が得にくくなる可能性があります。
回覧板には、インターネットには載らないような地域特有の細かい情報が記載されていることがあります。例えば、近所の方の訃報や、地域の小さなイベントの告知などです。これらの情報を見逃すことで、地域社会との関わりが薄くなる可能性があります。
また、回覧板を通じて回ってくる募金や署名活動などにも参加しづらくなるかもしれません。これらの活動は地域の課題解決や発展に寄与することもあるため、参加の機会を逃す可能性があります。
近所付き合いが希薄になるかも
回覧板を通じた近所づきあいがなくなることで、地域とのつながりが薄れる可能性も。
回覧板を受け渡す際の短い会話や挨拶が、近所付き合いのきっかけになることがあります。「お久しぶりです」「お変わりありませんか」といった何気ない会話が、地域のコミュニティを形成する一助となっているのです。
また、回覧板を通じて地域の行事を知り、参加することで近所の方々と交流する機会が生まれることもあります。これらの機会が減ることで、地域との関わりが薄くなる可能性があります。
災害時の情報共有に支障が出る
緊急時の連絡網から漏れる可能性があるため、注意が必要です。
災害時には、地域ごとの細かい情報が重要になることがあります。例えば、避難所の開設状況や、給水車の巡回予定などです。これらの情報は、回覧板を通じて迅速に共有されることがあります。
また、災害時の安否確認にも回覧板が活用されることがあります。回覧板を受け取らない家庭があれば、そこに問題が起きている可能性があると気づくきっかけになるのです。
回覧板を続ける新しい形
デジタル回覧板の導入
LINEやアプリを使った電子回覧板の導入を提案してみるのも一案。紙の回覧板の問題点を解決できる可能性があります。
デジタル回覧板のメリットは多岐にわたります。まず、情報の伝達スピードが格段に上がります。紙の回覧板が家庭を一軒ずつ回っていくのに対し、デジタル回覧板ではボタン一つで全員に情報を送ることができます。
また、過去の情報を簡単に検索できるのも大きな利点です。紙の回覧板では一度回覧が終わると情報が手元に残りませんが、デジタル回覧板ではいつでも過去の情報を確認できます。
さらに、写真や動画を簡単に共有できるのも魅力です。例えば、地域のイベントの様子を写真で共有したり、防災訓練の手順を動画で説明したりすることができます。
ただし、デジタル回覧板の導入には課題もあります。高齢者など、デジタル機器の操作に不慣れな方への対応が必要です。また、全ての家庭がスマートフォンやパソコンを持っているわけではないため、従来の紙の回覧板と併用する必要があるかもしれません。
回覧頻度の見直し
週1回以上の頻度を月1回程度に減らすなど、負担を軽減する工夫を提案してみましょう。
回覧頻度を減らすことで、各家庭の負担が軽減されます。例えば、月1回の回覧にすることで、「今週は回覧板が来るな」と心構えができ、計画的に対応できるようになります。
また、回覧頻度を減らすことで、一回あたりの情報量が増えるかもしれません。これにより、より重要な情報に絞って共有することができるでしょう。
ただし、緊急性の高い情報をどう扱うかは課題となります。例えば、防災情報や不審者情報などは、即時の共有が必要です。これらの情報については、回覧板とは別の伝達手段を用意する必要があるかもしれません。
内容の精選
本当に必要な情報だけを厳選して掲載するよう、提案してみるのもいいかもしれません。
回覧板に掲載する情報を厳選することで、各家庭が確認する負担が軽減されます。例えば、インターネットで簡単に確認できる情報は省き、地域特有の重要な情報のみを掲載するといった工夫ができます。
また、情報を分類して掲載するのも効果的です。例えば、「重要なお知らせ」「イベント情報」「ボランティア募集」などのカテゴリーに分けることで、必要な情報を素早く見つけられるようになります。
さらに、各情報に期限や重要度を明記するのも良いでしょう。「○月○日までに確認が必要」「全員の参加が必要」といった注釈があれば、読み手も優先順位をつけやすくなります。
ただし、何を「必要な情報」とするかは、地域によって異なる可能性があります。自治会や町内会で十分に話し合い、合意形成を図る必要があるでしょう。
まとめ
回覧板、やめたいけれど言い出しにくい。そんな方も多いのではないでしょうか。しかし、時代に合わせて変化していくことも大切です。上手な断り方や新しい形の提案で、みんなが快適に過ごせる地域づくりを目指してみてはいかがでしょうか。
