スターバックスがない場所があるって知ってました?意外と身近なところにも、スタバがない県や国があるんです。その理由も様々。今回は、スタバがない場所とその背景について、ちょっと掘り下げて見ていきましょう。
コーヒー好きの方や、カフェ巡りが趣味の方なら、「スタバがない」という状況は想像しにくいかもしれません。でも実は、日本国内にもスタバがない県があったんです。海外に目を向けると、もっとたくさんの「スタバがない国」が存在します。
なぜスタバがないの?その理由は単純ではありません。地域の事情や文化、経済状況、さらには政治的な理由まで、実にさまざまな要因が絡み合っているんです。
この記事を読めば、スタバがない場所の意外な実態や、その背景にある興味深い事情がわかります。さらに、スタバがない地域ならではの魅力的なコーヒーカルチャーについても知ることができますよ。
それでは、スタバがない不思議な世界へ、一緒に旅立ちましょう!
スタバがない県、実はあるんです
鳥取県と島根県、スタバ最少の県
日本国内でスターバックスの店舗がない県といえば、長らく鳥取県と島根県でした。でも、実はこの状況、最近になって大きく変わったんです。
まず島根県。2013年3月、ついに島根県にもスターバックスがオープンしました。場所はJR松江駅構内の商業施設「シャミネ松江店」。この出店により、スターバックスがない県は鳥取県だけになりました。
島根県民の反応はというと、大歓迎!ツイッター上では「ついに松江にもスタバが進出か…長かった」「島根にスタバができるぞう( ^v^ )いんいーい」といった喜びの声が上がりました。中には「都会だと珍しくもなんともないが、我らが島根人の目にはハイカラなスタバは眩しく映っている」なんて、ちょっと照れくさそうなコメントも。
一方、鳥取県民からは「くっそー!!島根かよ」「スタバ…やっぱり島根を取ったか。くそう。くそう。悔しい」といった悔しがる声も。でも、そんな鳥取県民の願いもついに叶うことに。
2014年9月、スターバックス・コーヒー・ジャパンが鳥取県への出店を発表したんです。場所はJR鳥取駅南口。2015年初夏のオープンを目指すと発表されました。
こうして、ついに47都道府県すべてにスターバックスが出店することになったんです。長年「スタバがない県」として知られていた鳥取県と島根県。その状況が変わったことで、地元の人たちの反応はどうだったのでしょうか。
なぜスタバがないの?地域の事情
でも、そもそもなぜ鳥取県と島根県への出店が遅れたのでしょうか。その理由はいくつか考えられます。
まず、人口の問題。鳥取県と島根県は日本で最も人口の少ない県です。2023年の統計によると、鳥取県の人口は約55万人、島根県は約67万人。これは、東京都の人口(約1400万人)の20分の1以下です。
人口が少ないということは、潜在的な顧客も少ないということ。スターバックスのような大手チェーン店にとっては、採算が取りにくい地域だったのかもしれません。
次に、地理的な問題があります。鳥取県と島根県は日本海側に位置し、大都市圏から離れています。このため、物流コストが高くなりがち。特に、新鮮な食材を使用するスターバックスにとっては、大きな課題だったでしょう。
さらに、地元のコーヒー文化の影響も考えられます。鳥取県や島根県には、昔ながらの喫茶店文化が根付いています。地元の人々にとっては、わざわざスターバックスに行く必要がなかったのかもしれません。
でも、時代とともに状況は変化します。交通インフラの整備や、若者のライフスタイルの変化などにより、スターバックスの進出が現実的になってきたんです。
鳥取県への出店が決まった際、スターバックス・コーヒー・ジャパンの水口貴文CEOは「47都道府県すべてに出店することで、日本のお客様により身近な存在となれることを願っています」とコメントしています。
この言葉からも、スターバックスが地域に根ざした店舗展開を目指していることがわかりますね。
スタバがない国、意外と多い
さて、日本国内ではすべての都道府県にスターバックスができましたが、世界に目を向けると、まだまだスタバがない国がたくさんあるんです。
北朝鮮やイランなど、政治的な理由
スターバックスがない国の中でも、特に注目されるのが北朝鮮とイランです。これらの国にスターバックスがない理由は、主に政治的なものです。
北朝鮮は、世界でも最も閉鎖的な国の一つとして知られています。政府が経済活動を厳しく管理しており、特にアメリカ企業に対しては強い制限があります。歴史的な政治的緊張から、スターバックスのような米国企業が進出することは、ほぼ不可能な状況です。
また、北朝鮮の経済インフラの未発達や市場経済の制限も、海外企業が進出する上で大きな障壁となっています。北朝鮮の人々にとって、スターバックスのコーヒーを楽しむことは、まだまだ遠い夢のようです。
一方、イランの場合は少し事情が異なります。イランとアメリカの間には長年の政治的対立があり、経済制裁も行われています。このため、アメリカ企業であるスターバックスは、法律的に進出が制限されているんです。
イラン国内では、地元のコーヒーチェーンや伝統的なカフェ文化が根強く残っています。そのため、スターバックスのような海外企業への需要はそれほど高くないという見方もあります。
しかし、興味深いことに、イランには「Raees Coffee」という、スターバックスによく似たロゴとインテリアを持つカフェがあります。これは、スターバックスの人気を物語るエピソードかもしれませんね。
文化の違いが原因の国々
政治的な理由だけでなく、文化の違いがスターバックスの進出を妨げている国もあります。
例えば、イタリア。コーヒー文化発祥の地として知られるイタリアでは、長年スターバックスの出店がありませんでした。イタリア人にとって、コーヒーは単なる飲み物ではなく、文化そのもの。エスプレッソを立ち飲みするのが一般的で、大きなカップで座ってゆっくり飲むスターバックスのスタイルは、なかなか受け入れられなかったんです。
ただし、2018年にはついにミラノに1号店がオープン。しかし、これも「ロースタリー」という特別な店舗で、通常のスターバックスとは一線を画すものでした。
また、エチオピアもスターバックスがない国の一つです。エチオピアはコーヒーの原産地として知られ、独自のコーヒー文化を持っています。「コーヒーセレモニー」と呼ばれる伝統的な作法があり、コーヒーを飲むこと自体が社交の場となっているんです。
このような深い文化的背景を持つ国では、スターバックスのようなグローバルチェーンが受け入れられるまでには、まだ時間がかかりそうです。
スタバがない理由、実は納得?
経済的な理由:市場規模と採算性
スターバックスがない理由として、経済的な要因も大きいんです。特に、市場規模と採算性の問題は無視できません。
例えば、人口の少ない国や地域では、スターバックスのような大規模チェーン店が採算を取るのは難しいかもしれません。先ほど触れた鳥取県や島根県の例も、この観点から理解できますね。
また、一人当たりのGDP(国内総生産)が低い国では、スターバックスの価格設定が高すぎると感じられることもあります。スターバックスのコーヒーは、多くの国で「プレミアム」な飲み物として位置づけられています。経済的に余裕のない地域では、日常的に利用するのは難しいかもしれません。
さらに、物流コストの問題もあります。スターバックスは品質にこだわり、新鮮な材料を使用することで知られています。しかし、遠隔地や交通インフラの整っていない地域では、そのような材料を安定的に供給するのが難しくなります。結果として、出店を見送らざるを得ない場合もあるんです。
例えば、オーストラリアでは2000年に進出しましたが、現地の強固なカフェ文化や競合との競争により、多くの店舗を閉鎖しました。これは、市場の特性を十分に理解せずに進出することのリスクを示す例と言えるでしょう。
地元のコーヒー文化との競合
スターバックスがない理由として、地元のコーヒー文化との競合も大きな要因となっています。
先ほど触れたイタリアの例がその典型です。イタリアでは、エスプレッソを立ち飲みする文化が根付いています。朝のコーヒーは数分で済ませ、バリスタとちょっとした会話を楽しむ。これがイタリア人にとっての「コーヒータイム」なんです。
一方、スターバックスは座ってゆっくり過ごすことを前提としています。大きなソファに座り、ラップトップを開いて作業をする。そんなスタイルは、イタリアの伝統的なコーヒー文化とは相容れないものでした。
また、オーストラリアの例も興味深いです。オーストラリアには「フラットホワイト」という独自のコーヒーがあります。これは、エスプレッソにスチームミルクを注いだもので、地元で大人気。スターバックスは当初、このフラットホワイトを提供していませんでした。
結果として、オーストラリアでのスターバックスの展開は苦戦。2008年には61店舗あったものの、2023年時点では約40店舗まで減少しています。現在は現地企業がフランチャイズ形式で運営しており、メニューもオーストラリア市場に合わせて調整されています。
日本国内でも、地元のコーヒー文化との兼ね合いは重要です。例えば、北海道のカフェ「森彦」は、道内でスターバックスをしのぐほどの人気を誇っています。
「森彦」は1996年に札幌市の円山公園近くの木造民家を店舗としてオープンしました。レトロでありながら現代的な雰囲気を併せ持った世界観が札幌市民に愛され、近隣にはスターバックスをはじめとする喫茶店が立ち並ぶ中、休日には10組以上の行列を作るほどの人気店になっています。
このように、地元に根付いた強力なコーヒーカルチャーがある地域では、スターバックスのような大手チェーンが苦戦を強いられることがあるんです。
スタバがない場所の意外な楽しみ方
ローカルカフェの魅力再発見
スターバックスがない場所には、意外な楽しみ方があります。その一つが、ローカルカフェの魅力を再発見することです。
例えば、先ほど紹介した北海道の「森彦」。このカフェは単なるコーヒーショップではありません。木造古民家を改装した店内は、まるでアートギャラリーのよう。コーヒーを飲むだけでなく、空間そのものを楽しむことができるんです。
「森彦」の人気は北海道内にとどまりません。ローソンや味の素AGFとのコラボ商品を展開するなど、その人気は全国区に広がっています。
「森彦」の魅力は、コーヒーの味だけではありません。古民家を改装した趣のある店内も、多くの人を惹きつける要因となっています。木造の温かみのある空間で、ゆったりとした時間を過ごせるのが魅力です。2階席からは円山公園の緑を眺めることができ、季節の移ろいを感じながらコーヒーを楽しめます。
また、「森彦」のコーヒーへのこだわりも特筆すべき点です。自家焙煎にこだわり、豆の個性を最大限に引き出す焙煎技術は、多くのコーヒー愛好家から支持を得ています。特に人気の「森の雫」ブレンドは、深いコクと香ばしい香りが特徴で、多くのファンを持つ看板メニューとなっています。
さらに、「森彦」は地域に根ざした経営を心がけています。地元の食材を使用したスイーツや軽食メニューを提供するなど、北海道の魅力を発信する場としての役割も果たしています。
このように、独自の世界観と高品質なコーヒー、そして地域との密接な関わりを持つ「森彦」は、スターバックスとは異なる魅力で多くの人々を惹きつけています。
スタバがない場所の意外な楽しみ方
ローカルカフェの魅力再発見
スターバックスがない場所には、意外な楽しみ方があります。その一つが、ローカルカフェの魅力を再発見することです。
例えば、先ほど紹介した北海道の「森彦」のように、地域に根ざしたカフェには独自の魅力があります。地元の食材を使ったメニューや、その土地ならではの雰囲気を楽しむことができます。
また、鳥取県の「すなば珈琲」も、スターバックスがないことをきっかけに生まれた地元発のカフェチェーンです。「すなば珈琲」は、鳥取砂丘にちなんだ名前と、地元の食材を使ったメニューで人気を集めています。
こうしたローカルカフェは、その地域の文化や歴史を反映していることが多く、旅行者にとっては新しい発見の場となります。また、地元の人々にとっても、自分たちの文化を再認識し、誇りに思う機会となっています。
スタバなしで生まれた地域の取り組み
スターバックスがないことで、逆に地域独自の取り組みが生まれることもあります。
例えば、鳥取県では「すなば珈琲」の成功を受けて、地元の若者たちが新しいカフェを次々とオープンしています。これにより、鳥取県のカフェ文化が活性化し、新たな観光スポットとしても注目を集めています。
また、オーストラリアのように、地元のバリスタ文化が発展している国もあります。ここでは、個人経営の小さなカフェが街のあちこちにあり、それぞれが独自の味と雰囲気を競い合っています。こうした環境は、コーヒー愛好家にとっては天国のような場所となっています。
このように、スターバックスがないことで、逆に地域の個性や創造性が発揮される場合もあるのです。
スタバがない世界の未来は?
進出の可能性と地域の反応
スターバックスがない国や地域でも、将来的には進出の可能性があります。実際に、以前はスターバックスがなかった国々にも、徐々に店舗が出店されています。
例えば、イタリアは長年スターバックスの出店を拒んできましたが、2018年にはついにミラノに1号店がオープンしました。ただし、これは通常のスターバックスとは異なる「ロースタリー」という特別な店舗で、イタリアのコーヒー文化を尊重した形での出店となっています。
一方で、スターバックスの進出に対して、地域の反応は様々です。新しいコーヒー文化の到来を歓迎する声がある一方で、地元のカフェ文化を脅かすのではないかという懸念の声もあります。
スタバ以外のコーヒーチェーンの動向
スターバックス以外のコーヒーチェーンも、世界各地で展開を進めています。例えば、イギリスの「コスタコーヒー」や、アメリカの「ダンキン」なども、積極的に海外展開を行っています。
これらのチェーンは、スターバックスとは異なるアプローチで各地域に進出しています。地域の文化に合わせたメニュー開発や、現地企業とのパートナーシップなど、様々な戦略を展開しています。
また、地域発のコーヒーチェーンが成長し、国際展開を始めるケースも増えています。例えば、オーストラリア発の「グロリアジーンズコーヒー」は、アジア各国に進出し人気を集めています。
このように、コーヒーチェーンの世界展開は、スターバックス一強の時代から、多様化の時代へと移行しつつあります。
まとめ
スターバックスがない国や地域があることは、一見すると不思議に思えるかもしれません。しかし、その背景には政治、経済、文化など様々な要因があることがわかりました。
また、スターバックスがないことで、逆に地域独自のコーヒー文化が発展したり、新たな取り組みが生まれたりすることもあります。これは、多様性という観点からは非常に興味深い現象と言えるでしょう。
コーヒーを通じて、世界の多様な文化や歴史に触れることができる。そんな新しい楽しみ方を、この記事を通じて発見していただけたら幸いです。